2017-05-26

Memories Of Circus




「サーカスおぼえがき」


先日、サーカスを観てきました。

サーカスに行くのはおよそ10年ぶりで、
朝からワクワクする気持ちを胸に、電車に乗って海辺の広場まで。
遠くの赤いテントが目に入ってくると、ちょっと小走りになる。

テントの中は、外の晴天とは対照的に真っ暗で、
緊張感と期待でいっぱいの、生暖かい空気に包まれている。
舞台はもちろん、裏舞台を垣間見たいのもあって、
バックステージへの通用口のすぐそばに、席をとる。

最初に登場したのは、天井からつるされた紐にぶら下がって、
アクロバットを繰り広げる小柄な女性たち。
首がもげてしまうよ!と、舞台上にあがって止めに入りたいくらい、
ものすごいスピードで回転する。
それから次々と、目を疑うような、ものすごい芸が繰り広げられる。
3台のバイクが同時に大きな球体の中を爆走したり、
椅子を10個くらい積み重ねたてっぺんで逆立ちしたり、
回転する大きな2つの輪の中で、飛んだり跳ねたり縄とびしたり…

同じ人類として、鉄棒の逆上がりさえできないわたしは、
人間という生きものの幅の広さに、ただただ愕然とした。
あと50年後くらいにはほんとうに、
空を飛ぶ人間があらわれるかもしれない。

ゾウやトラやライオン、シマウマなどの動物も登場したけれど、
彼らを見ていると複雑な気持ちになって、
人間のショーほど楽しめなかった。
シマウマなんかは弱肉強食の自然界にいるよりは、
サーカスの方が断然安全だけれど、
やっぱりライオンには気高くあってほしいと思うので、
芸をしている姿はなんだか見ていて居心地が悪く、胸がくるしくなった。

大人になって観るサーカスは、ただ楽しいだけじゃなくて、
人間や生き物の性(さが)についても、考えさせられる場所でした。



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